「僕はなあ、戦災孤児やねん。戦争だけは絶対にあかん。」私の手をグッと握ってこう訴えられた神戸のある方の言葉が忘れられません。
 この方は、疎開中の一九四五年六月五日の神戸大空襲で家を焼かれ、ご両親が亡くなられたといいます。
 つらい話もお聞きしました。この空襲に先立つ三月の大空襲では、直爆をうけたであろう妊婦のお腹から胎児が飛び出していたこと、火の海の中、そんな遺体が折り重なるところを逃げ惑ったこと…。一歳になる子をもつ親として、小さな子どもが無残な殺され方をしたとのお話には、本当にいたたまれない気持ちでいっぱいになりました。この方の「戦争はあかん」との言葉には、二度と戦争はしないと誓った憲法九条が、日本人の心の芯からの叫びであると実感させる重みがあります。

 それと比べて、声高に改憲を叫ぶ安倍首相の言葉のなんと軽いことか。この内閣の改憲の狙いは、国民の平和の願いとますます乖離せざるをえません。反戦平和を一貫して貫いた党の一員として、また一児の父親としても、憲法や教育基本法を守り、平和な日本を次代に託さなければとの思いを強くしています。
 暮らしの問題でも、兵庫県下のどの地域でも、どの分野・階層からも、いまの自民党政治にたいする強い怒りや不満、不安が表明され、日本共産党への期待が語られます。

 郵便局の集配業務廃止が計画されている沼島(ぬしま)は、淡路島の先にある兵庫県でも数少ない離島のうちの一つです。島のみなさんは、有権者のほぼ百%にあたる署名を集められ、私たち日本共産党との懇談で「『改革』に犠牲はつきものだろうが、住民にはすこぶる迷惑だ」ときっぱり。別の地域の農協の有力な幹部は、「『規制緩和』『改革』というが、財界や工業界のトップが政治を動かす経済財政諮問会議のやり方は間違っている」と、ここでもはっきりと述べられました。

 医師不足が深刻な但馬地域では、公立病院長や自治体首長の方々から共通して「政治の責任」が語られ、なかには「小泉政治には理念がない。共産党はもっとがんばってくれ」と明言された先生もおられます。三〇年近くにもわたりデータを改ざんし、基準を超えるばい煙を排出していた神戸製鋼加古川工場の「労働者OB」という方からは、問題の解決には、日本共産党綱領にある大企業への「民主的規制を受けるほかはないと感じた」との投書が寄せられました。

 もちろん、今年六月の住民税、国保・介護の保険料値上げ通知が届いた際には、高齢者のみなさんから、「何でこんなに値上がりしたんや」との怒りが相次いで寄せられましたし、いま県党あげてとりくんでいる「こども署名」(医療費無料化と少人数学級を義務教育終了まで求める)や、「一万人青年雇用アンケート」には、二十代、三十代の若者、子育て世代から切実な願いが寄せられています。

 これらはほんの一端です。私が直接お話を伺ったところの多くが、これまで自民党の支持基盤であったり、その土地、土地で、地域社会の中枢を支えてこられた方々です。そうした方からの切実な声と痛烈な政治批判、日本共産党への期待です。私たちが、これらを真剣に、正面からしっかりと受け止めなければならないと、日々痛感しています。寄せられた問題の解決、要求の実現に全力を尽くすとともに、お一人おひとりと心を通い合わせ、あたたかい人間のネットワークを草の根で広げてこそ、政治への怒り、日本共産党への期待を、政治を変える力にできるのだと思います。そのためにも、若さも生かし、知恵と力を尽くしてがんばりたいと思います。

(しんぶん赤旗へ寄稿した原稿を転載しました。字数の関係で紙面では、省略した部分があったので、掲載された文章とは若干違っています)