北淡震災記念公園の風力発電施設
 昨日、今日と、淡路島で風力発電問題の調査に入りました。参院議員の市田忠義書記局長の秘書の方の調査への同行です。
 昨日は、淡路市内で風力発電施設設置の計画がある地域で、住民のみなさんからの聞き取りおよび現地調査をおこない、今日は、淡路市当局にお話をうかがった後、現に風力発電施設が設置されている南あわじ市でも住民のみなさんからのお話と現地調査に行きました。
 淡路市の旧北淡町地域を中心に、関電エネルギー開発株式会社が、淡路島北部風力発電事業を計画していますが、北淡路島風力発電を考える会のみなさんのお話を伺うといろいろ問題がありそうです。


 計画自体は、もう7年ほど前から話があったそうですが、その後自治体合併で新市が生まれてから5年前に市長に会社から説明があり、順次住民説明もおこなわれたといいます。そのときの住民説明会で各町内会長の承諾を得たもよう。そして兵庫県のアセスを経て、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の補助金申請を終え、昨年から工事説明会がおこなわれていきました。


 そのころから、住民のなかに「この近くは1基と聞いていたのに、2基もつくるのか」、「どうも話が違う」と疑念が生じてきたそうです。住民の方によれば、少なくとも問題点は以下の3点です。


 ひとつは、風車の設置場所です。兵庫県の基準では、住居地から250メートル以上離すこととなっています。アセスの審査時には、12基すべての風車が250メートル以遠だとされてきましたが、実際には235メートルしかないものもありました。公害調停委員会の場で住民からそのことを指摘された企業側は、あっさり誤りを認め、訂正(住民の方は「開き直り」と表現していました)しましたが、いったんアセスを通ってしまっているので、何のお咎めもなし。実際にはアセスの基準を満たしていないにもかかわらず、現行の仕組みではアセスを差し戻すこともできません。
 現在、環境省やNEDOなどの文書では、住宅から500メートル以遠がのぞましいとされつつありますので、この距離の近さはなおのこと重大です。


 また、騒音予測をする際、風車のパワーレベルを最大値の103.3dbでする必要があるのに、平均風速でいいとして99.1dbで計算。その結果、夜間騒音基準45dbを超える箇所はないと報告されています(実際には、この計算でも、30区画の別荘地が入っているにもかかわらず、報告されていません)。


 さらに、県の基準では、将来宅地開発がされるようなところも考慮しなければなりませんが、企業は第1種農地だから宅地開発はないとしています。しかし、現にいまでも、この近辺には別荘地があり、「売り地」の看板も多数見られます。これらのなかには、基準の250メートル以内のところもあります。またペンションや乗馬クラブなどもあり、影響は必至です。
 現に、風車建設の話を聞いて、別荘の建設を取りやめたり、分譲地が売れなくなったという話がおこっています。


 加えて、何をもって住民合意かということも問題です。風車建設地は山あいにあり、戸数も少ないですが、一番被害を受ける当事者です。この方たちの同意なしに、ただ町内会長の同意を得ることでよしとしていいのか。
 この町内会長らの同意を得た最初の住民説明会では、「エコだエコだといい話ばかり聞かされた」とか、配布資料が回収されたりするなど、同意の前提である住民説明がまともに行われてきたのかも問われます。風車の設置場所や基数など、最初の説明がコロコロ変わることもあったといいます。


 南あわじ市で住民の方からうかがった際にも、「会社が強調する『法令順守』の言葉にだまされた。法を守ろうにも風力発電を規制する法自体がまだ未整備だ」との言葉が印象的でした。
 住民合意なしに風車建設を強行するようなことがあってはなりません。


 冒頭の写真にあるのは、北淡震災記念公園にある風車です。これで600キロワット、約70メートルの高さ。北淡に建設予定の風車は2000キロワット、120メートルの高さですから、相当のものです。
 自然エネルギーを利用する発電はもっとあってしかるべきです。しかし、それが住民の健康被害をもたらすものであってはありません。住民合意はもちろん、その土地、土地の風土に合った自然エネルギーの利用の探求も求められるように思います。