今日は、神戸市内のとある病院の看護の党組織のみなさんの学習会に講師として参加しました。
 はじめは、「従軍慰安婦」をテーマにお話をいただきましたが、専門家ではありませんので、「河野談話」見直し問題をとっかかりにして、今の情勢をどうみるのか、若い世代の生き方にも引き寄せて話を準備しました。
 その最後に、約2年前、第1次安倍内閣の時代に、やはり同じように歴史を否定する流れがうまれたなかで、宮本百合子を語る兵庫のつどいでおこなった私のあいさつを引用しました。いずれも、戦中、戦後すぐの百合子の評論から、当時私が学んだことを整理したものですが、なお新鮮な響きをもって聞こえてきます。数十年前の評論がなお生命力をもつところに宮本百合子の問題をとらえる力の強さ、大きさを感じずにはいられませんでした。
 学習には、入職1年目の若い看護師さんも参加してくれました。はじめは「総選挙の結果、どうなるのだろうと不安でニュースも見なくなった」と語っていましたが、少しは、展望と勇気をもって受け止めてくれたように思います。
 続きにレジュメを載せておきます。
「河野談話」(「従軍慰安婦」問題)見直し、「国防軍」…安倍政権の動向と情勢の現局面をどうみるのか、そして今をどう生きるのか
2013年2月2日 堀内

1、「従軍慰安婦」問題とはなにか、自民党の改憲策動について
(1)安倍政権の動向は歴史を否定する流れ
○「従軍慰安婦」とは…「河野談話」が明らかにしたこと
○「村山談話」と戦争責任にかかわる歴代首相の答弁

(2)自民党憲法改正草案と「国防軍」、「集団的自衛権の行使」を掲げた異様な総選挙
 自民党憲法改正草案:①天皇の元首化、②不戦の誓いと平和的生存権を前文から削除、③9条2項の削除と国防軍の創設で武力行使の歯止め消す、④集団的自衛権行使を可能にし、「国際社会」(国連ではない)、「治安維持」名目の活動、「機密の保持」や軍法会議の設置など戦争をする国へ、⑤「公共の福祉」を「公益および公の秩序」に置き換え基本的人権を制限、⑥公務員の労働基本権の制限や財政の健全化を口実に社会保障費削減に道を開くなど、社会権・生存権の切り捨て、⑦国家緊急権規定、⑧憲法改正要件緩和など
 自民党マニフェスト:「国家安全保障会議」の設置(官邸の指令機能強化)、「集団的自衛権の行使を可能とし、『国家安全保障基本法』を制定」。「米国の新国防戦略と連動して自衛隊の役割を強化し、・・・日米防衛協力ガイドライン等を見直し」。「憲法改正により自衛隊を国防軍として位置付け」。「国際平和協力一般法」を制定。

2、総選挙の結果をどうみるのか
(1)「自公圧勝」はしたが…決して国民から信任を得たわけではない
“虚構の多数”にたつ自公政権。一方、前回比1000万人もの投票減。05年小泉郵政選挙、09年政権交代選挙と比べても、模索を深める国民の動向。政治変革を求める国民的模索はさらに深まり、そのエネルギーはさらに大きくならざるを得ない。

(2)避けられない国民との矛盾
○歴史問題・改憲問題
 自民党の中からも批判が。
○経済政策や原発でも
 アベノミクスでは暮らしも経済も財政も破たん。もともと「危機」をつくりだした張本人。消費税増税のストップと所得を増やす経済改革こそ景気回復のカナメ。
 安全神話を振りまいた“A級戦犯”。原発即時ゼロこそ最も現実的で責任ある提案。

(3)国際社会との矛盾も避けられない
 「軍事大国化のための制度整備を急ぐ方針で、東アジアの緊張が新年早々から高まる見通しだ」(韓国「東亜日報」)、「安倍晋三氏は韓国との緊張をかき立て、協力をさらに困難とするような間違いで、彼の在職期間を開始したいと思っているようにみえる」(アメリカ「ニューヨークタイムス」)、「(日本の再武装や靖国参拝などを掲げる安倍氏の政治姿勢は)日本に何の利益ももたらさないだろう」(フランス「ルモンド」)…改憲とともに、過去の侵略戦争を否定する政治志向にはアジアはおろか、欧米諸国からも批判の声が。
 とりわけこの間、オバマ米政権からも「『河野談話』を見直すことになれば米政府として何らかの具体的な対応をせざるをえない」として慎重な対応を求められていることも報道されている(6日付「日経」)。NY州議会では謝罪を求める決議。

3、国民的なたたかいと日本共産党の役割
(1)“靖国派”の野望を打ち砕いた国民運動
 05年5月の不破講演。当時重大な外交問題となった小泉首相の靖国参拝など、過去の戦争を正しかったとすることは、日独伊のおこした侵略戦争が不正・不義の戦争だったという戦後世界の秩序の土台を否定するもので、日本が世界で生きていく地位を失ってしまうことを明らかにするとともに、靖国神社がそうした特異な歴史観の宣伝という政治目的をもった運動体であることをあきらかにしたことが、国内外に衝撃を与えた。
 「構造改革」政治への批判ともあいまって、「美しい国」など戦前回帰のようなスローガンを標榜した次の安倍内閣は、07年参院選で大敗し、その次の麻生政権のあと、「政権交代」となるなど、改憲スケジュールを大きく狂わせてきた。07年改憲国民投票法成立、10年同法全面施行されるも、附帯決議で課せられた18歳選挙権など投票実施のための要件も満たされず、改憲原案が審議できる憲法審査会の発動も11年まで遅れた。

(2)改憲策動の狙いの本質とあるべき日本外交の姿とは
○改憲策動の始まり、発信源はアメリカ
 戦後直後から。近年も。
○狙いはアメリカの世界戦略に日本を動員しようというもの
○「アメリカいいなり」を正す日本共産党の外交ビジョン――根源の安保条約の廃棄
○安保をなくせばどんな展望が開かれるのか――基地の重圧から解放
○安保廃棄後の展望その2――憲法9条を生かした平和の発信地に
○安保廃棄後の展望その3――食糧や原発など経済問題でも日本の主権を取り戻す

4、さいごに
 国民の動向、選挙後も以前と変わらない安倍政権の姿勢・政策をみても、戦後60年続いた「アメリカいいなり」「財界中心」の自民党型政治の行き詰まりは明瞭。ここを打開する改革なしに、日本の明るい未来は開けない。
 ここにこそ歴史の扉を開く日本共産党の役割がある。参院選での前進へお力添えを。
 若い世代の生き方にかかわって――未来を拓く生き方を。
以上