さきほどの本会議で、派遣法改悪案が審議入り。日本共産党を代表して、私が登壇して安倍総理、塩崎厚労大臣に質問しました。
 質問の全文は、続きに。
 私は、日本共産党を代表して、労働者派遣法改正案について質問します。
 安倍総理は、「戦後以来の大改革」などと称して、「正社員ゼロ」、労働者の使い捨て、長時間労働の押し付けとさらなる過労死を生み出す「残業代ゼロ」制度など、雇用の破壊を進めようとしています。その最初の具体化がこの派遣法改悪です。
 昨年秋の臨時国会で総理は、派遣法改正案の質疑の際、わが党の高橋千鶴子議員の質問に答えて「全ての人々が生きがいを持って働くことができる環境をつくっていく」と述べました。ならばなぜ、労働法制を「打破すべき岩盤規制」と呼ぶのですか。労働法制とは本来、人間らしく働ける環境をつくるためにあるのであって、拡充こそすれ、規制打破の対象とはなりえないではありませんか。総理の基本的な認識を伺います。

 今年は戦後70年です。軍国主義を一掃し、日本国憲法のもとで新しい歩みをはじめた国会は、戦前にはなかった労働者を保護する法整備をすすめていきました。その一つ、労働基準法は、その第6条で中間搾取を排除し、また職業安定法は第44条において労働者供給事業を禁止し、直接雇用を大原則とすることを打ち立てたのであります。
 ですから1985年、労働者派遣法審議の際、わが党は、これは直接雇用の原則に風穴を開け、労働者の人間としての尊厳をも奪うものだと厳しく批判をしました。
この派遣法制定から30年が経ちました。この間1999年の派遣労働の原則自由化、2003年の製造業への解禁などの規制緩和がつぎつぎ進められました。結果、非正規雇用が広がり、働く貧困層が増え続けました。
 総務省の労働力調査では、1995年から昨年にかけて、正規の職員・従業員が500万人減る一方、パート・アルバイトや派遣など非正規雇用がおよそ1000万人増えています。この間の労働法制の規制緩和が、不安定な非正規雇用を増やしてきた一因であるとの認識が、総理にはないのですか。お答えください。

 リーマンショック後、大量の「派遣切り」が行われ、「派遣村」が各地にできるなど社会問題となりました。登録型派遣や製造業への派遣の禁止など規制強化の世論が高まり、民主党政権に託されました。しかし、2012年改正までにそれらはほとんど骨抜きにされ、唯一残ったのが、期間制限違反などを犯した派遣先企業が労働者に労働契約を申込んだとみなす規定でした。それさえも、施行は今年の10月1日へと先送りされました。
 本法案が施行日を9月1日にしているのも、この「みなし規定」を実質発動させないためではありませんか。答弁を求めます。

 次に法案について、具体的に伺います。
 派遣労働は、あくまで臨時的、一時的な雇用が原則であって、常用代替であってはならないと政府は説明してきました。しかし本法案は、これを担保する派遣期間制限を効力なきものにしようとしています。
 法案では、派遣労働者が派遣元に無期雇用されていれば、期間制限がかかりません。有期雇用に比べたら身分が安定しているというのがその理由ですが、無期雇用の派遣労働者も、派遣先の仕事がなくなれば契約を解除され、解雇されてしまいます。
 リーマンショック後の「派遣切り」でも、常用型無期雇用の派遣労働者のうち雇用が継続したのは2割強に過ぎず、離職者のうち解雇は94.3%にものぼっています。これでどうして雇用が安定していると言えるのですか。お答えください。

 この法案では、新たに事業所単位及び、個人単位で期間制限を設けます。
 事業所単位では、同一事業所での派遣労働者の受け入れは3年を上限とするとしています。しかし過半数労働組合等から意見聴取し、仮に異義があっても対応方針等の説明をすれば、3年を超えての受け入れが可能になります。意見聴取と説明を義務付けただけで、どうして規制が強化されると言えるのですか。派遣先企業の都合で、歯止めなく派遣労働を使えることになるではありませんか。答弁を求めます。
 個人単位の期間制限は3年を上限とするというものの、部署さえ変えれば同じ派遣労働者をずっと使い続けることが可能となるではありませんか。
 これがまさに「生涯派遣」と言われるゆえんです。そればかりか、正社員から派遣への置き換えがますます進むことになりませんか。そうでないというなら、その根拠を明確にお示しください。

 法案は、いわゆる専門26業種を廃止するとしています。その理由として、専門26業種と一般業務との区別が分かりにくいと言います。しかし、そもそも期間制限のない専門業務と言いながら、一般業務と変わらない仕事に従事させてきたことが問題です。
 現状を追認するのではなく、専門業務をより厳密化するとともに、専門業務で3年を超えて働いてきた派遣労働者を派遣先に優先的に雇用させるべきではありませんか。答弁を求めます。

 法案では、派遣労働者の正社員化を含む雇用の安定のためとして、キャリアアップやキャリアコンサルティングを定めています。
 教育訓練や情報提供、相談活動をいくら進めるといっても、それだけでは正社員への登用が保障されるものではないではありませんか。
 また、派遣期間終了時に雇用安定化措置を派遣元企業に義務付けるとしていますが、派遣先企業へは、何も義務を課さないのですか。派遣先がかかわるのは、派遣元から直接雇用の依頼を受けるという点だけです。派遣元に対して圧倒的に力の強い派遣先企業が断れば、正社員への道は絶たれてしまいます。
 安定した雇用というなら、派遣先企業に雇用責任を果たさせるべきではありませんか。答弁を求めます。

 この法案は、第188回臨時国会での審議開始時に公明党が示した修正案を取り込んで提出されています。この修正について三点伺います。
 第一は、派遣労働が臨時的、一時的なものであることを原則とする旨を明記していますが、その原則を担保する保障はどこにもありません。しかも、条文は第25条「運用上の配慮」の条項に盛り込まれました。原則と言いながらどうして「配慮」という位置づけなのですか。
 第二に、施行後の動向を踏まえ、「日本の雇用慣行が損なわれるおそれがある場合は速やかに検討する」旨を附則に規定しています。「日本の雇用慣行が損なわれる」とはどういう事態を想定されているのですか。これは政府自身が、本法案によって派遣労働が拡大することを危惧しているということではありませんか。総理の答弁を求めます。
 第三に、均衡・均等待遇のあり方を検討するため調査・研究等を行う旨を附則に規定しています。これまで政府はあれこれ理由をつけて均等待遇に背を向けてきましたが、これまでの姿勢をあらためるべきではありませんか。お答えください。
 修正の手続きも問題です。今回の修正は、労働政策審議会では一切審議されていません。これまで労働法制を決める際には、ILO原則に則り、政府、労働者、使用者の3者が会する労政審での審議を通じて、法案が閣議決定され、国会で審議してきたのに、なぜですか。形だけの修正で取り繕っても、法案の綻びは隠しようもありません。塩崎厚生労働大臣の答弁を求めます。
 そもそもこの間の、産業競争力会議や規制改革会議などの議論を政府の方針とし、厚生労働省の頭越しに法改正を迫るやり方はきわめて異常です。総理の見解を求めます。

 最後に、本法案はこれまで国民の反対の前に二度も廃案に追い込まれました。経済界の言うままに、労働者に「生涯派遣」を押し付けるような法案は廃案以外にありません。以上、強調し質問を終わります。